フリーランスの方や個人事業主の方々が取引先に対してファイルを送信する際に、どのようにして送信しているのか?また、一方でファイル受信側の取引先はそのファイル受信の際に どのように感じているのか?気になるところです。
今回は、フリーランス・個人事業主・自営業の方々および企業の方々を対象にそれぞれアンケートをとってみたところ、ファイル送信者側と受信者側とでは考え方に大きなギャップがありましたのでレポートいたします。
フリーランスが取引先にファイルを送信する際の実際
取引先にファイルを送信する際に考えられる代表的な方法としては、「メールに添付ファイルとして送信」「チャットツールを利用して送信」「無料のファイル転送サービスを利用して送信」の3つが考えられます。
実際にフリーランス・個人事業主の方々はどのように送信しているのかについてアンケートをとったところ以下の結果がでました。
調査対象:20 〜 60代男女、合計1,000名
調査期間:2022年 3月17日 〜 2022年 3月23日
有効回答数:200名
Q.取引先にファイルを送信する際にどのような方法で送っていますか?(複数回答可)
アンケート結果(ファイル送信の方法について)
約90%の方は、メールの添付ファイルで送信すると回答されています。次いで、「無料のファイル転送サービスを利用して送信」する方が多いという結果が出ています。
重要度の低いファイルであれば、それほど大きな問題になることはありませんが、重要度が高くなればなるほどこれらの方法によるファイル送信というのは非常に大きな問題を抱えています。
添付ファイルとして送信する場合の問題点
- メールで送信したファイルはコントロールできないため、情報漏洩のリスクがある
- メールの誤送信による情報漏洩のリスクがある
- 大容量ファイルの送信は送信先だけで無くその組織にも迷惑をかける
- パスワード付きZIPファイルの添付(いわゆる「PPAP」)だと、ウイルスチェックができない場合がある
無料のファイル転送サービスで送信する場合の問題点
- 取引先が誤って広告アプリのダウンロードをしてしまう
- ウイルスチェックを行っていない場合がある
- 通信経路及びサーバ保存時に暗号化されていない場合がある
- 誤送信や情報漏えい対策がされていない場合がある
- サーバに外部からの侵入対策が施されていない場合がある
添付ファイルでのメール送信や無料のファイル転送サービスを利用してファイルを送信する場合は、上記の様な問題点があるため、有料のセキュリティがしっかりとしたファイル転送サービスを利用することが 安全でありますが、ではなぜ、有料サービスを利用しないのかを同条件の方々にアンケートをとってみました。
Q.有料のファイル転送サービスを利用しない理由をお教えください。(複数回答可)
アンケート結果(有料のファイル転送サービスを利用しない理由)
意外にも、圧倒的に多かった理由は価格では無く、「有料サービスを使う必要性を感じていないから」と約70%の方が回答しています。これは、ファイル送信時のセキュリティに対する意識が希薄であるという結果と言えるでしょう。
取引先はフリーランスとのデータのやりとりをどのように感じているか?
一方で、ファイルの受取側では実際にどのように感じているのかを企業に勤めている方を対象にアンケートをとったところ下記の様な結果がでました。
調査対象:20 〜 60代男女、合計3,000名
調査期間:2022年 2月25日 〜 2022年 3月 3日
有効回答数:300名
Q.フリーランスから受け取るファイルにセキュリティ面で不安を感じますか?
アンケートの結果、「とても不安に感じる」「不安に感じる」と回答された方が約80%となっています。
やはりファイル送受信時のウイルス感染の脅威や情報漏えい等のリスクを考えると、企業側としてはセキュリティへの意識は非常に高いということが言えます。
フリーランスと企業側のセキュリティに対する意識のギャップ
「企業対企業」であれば、双方がセキュリティに対する意識が高いため、安全なデータのやりとりが行えるのでしょうが、「フリーランス対企業」で考えた場合、前述のアンケート結果を見るとセキュリティに対する 意識に大きなギャップがあります。
このギャップを埋めることができれば、企業としてはフリーランスの方々へもっと仕事を依頼しやすくなるのでは無いでしょうか。
逆に言えば、セキュリティに対する意識高い系のフリーランスの方々は企業からの信用を獲得することができ、案件獲得に繋がると考えられます。
フリーランスの方々は、セキュリティを重視することはもはやオプションではなく、標準の時代になってきていると言えるでしょう。